basilides2007-08-30

薄暮は常の日に断ち朱面をこそ澪の斑。
並みたち垂る影の折々は骸萎の葉の一群毎。
とぼそけき足の音の佳の来。
上ぬるむ面より際に垂れ曳くまどかなる先触れ。
昨のかげに彩も濃き布く流るる紗よ。
軟風にても熟えて落ちたる背の朱唇かも。


※かわたれはつねのひにたちしゅおもてをこそみおのまだら。なみたちたるかげのおりおりはからしなのはのひとむらごと。とぼそけきあのとのけのこ。うわぬるむおもよりきわにたれひくまどかなるさきぶれ。きそのかげにあやもこきしくながるるうすぎぬよ。なよかぜにてもつえておちたるせのべにかも。(basilides「連作Ⅱ」)