2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

想念に遊ばず、夜に目を伏せ、私の足取りは距離を残して世界をどんどんと小さくする。躊躇われたのは、いくらかの家があるほとんど一つの食卓に、目の高さを後景へと退け、片方の部分を―かれと呼び、その視線の外れた一枚、二枚の透過性、あるいは許される限…

ローベルト・ヴァルザー「散歩」 わたしは、気持ちのよい、よろこばしいささやかな散歩をしたのだが、それは足どりもかるくこころときめくものとなった。村を通りぬけ、谷あいの小径といったところを進んで森にはいり、それから野原を越えふたたび村にはいっ…