2006-07-01から1ヶ月間の記事一覧

すれ違い。足音。南から。滴。滴。滴。頬張って。曇り。またしても。路地。傘。回る。右に。左に。例えば。哀しい。子供たちは。諸々の。なければ。必ず。彼に。彼女として。一回転。そうすれば。今。今。未来に。願わない。いくつかは。たくさん。どれ。な…

小高く、妊婦の腹ほどに固い春土に突き刺す十字は君を横に支え、上下を縦に支えている。生きている。そんなか細い釣り合いのなかでは二人は愛せず、いきみを惜しんで一つの身振りが否応無しに互いの注意をひいたが、遂に残される者が別れを生きる過程の始ま…

夕暮れではない。午後でもない。誰もいない。誰も踊らない。宙にくゆる紫煙の影に音はすっかり覆われて、立ちのぼる匂いはいち早く色に混じり込む。そこかしこで物自体は苦悶していた。また、それゆえに不動であった。窓の外で降りしきる意味に庭の根空木は…

夜の掟からかけ離れ、部屋に入るなり窓。枯れたベゴニア。その葉ごもりの深き影の跡を風が吹き払い、私をこそ吹き寄せた。窓に世界を領す闇が垂れて、暗さを持たぬ光はなく、奥行きに不均等な光は幅に広く均等に鞣された。私は自分の上に屈みこみ、その沈黙…

祝祭に熱い陽は高く掲げられ、狂熱に沸く中央の通りでささやく足許の妙な調べに踊る乳房は折にふれて投げかけられる眼差しも介さず、ただ左右のあいだの区別だけが今もなおみどり児の任意に委ねられている。この道また道も権力を示す線条だ。個人に使役され…

最近の裾野の広がり具合に比例してか「オタクとして幸せになるには」と考えられる風潮になってきた。特に若年層に支持されてであるが。オタクを小乗仏教に結びつけようが何しようが個人の範囲で救済に役立つなら好きにしても良いと思うのが、ただやはりオタ…