ただ待つばかりの感動に醒めてしまい、笑うという事実は動かしがたいのに笑うに堪えない。
愛せぬものを失うことは不幸ではないはずだ。
優しくされることに馴れたいが、せめて善意に自覚的でありたい。
偽善者になること。そして関係を諦めること。つまり、ひとりで笑えるようになること。

人間という人間に、うんざりしている。それでも、私は笑うのが好きだ。そして、私は、ひとりでは笑うことができない。(E.M.シオラン「激情」)