basilides2007-01-07


乾いて重いばかりか沈む水に息ができず、点いたテレビさえ空がようやく低いのに、私も息だけが白いまま、天井が冷たくて、ちょうど朝なわけだという。まずは花が挿されたので枯れてはいない挿さる花は転がらない限りの硬貨と摘まれている花によって等価で、ありあまる花々の背後で肩越しに見える彼女と歯があたりあたるあたったとき、なぜならと私が尋ねるが、私はようやく知っていたので、口を「眼を開いたまま見ない」ようにしていた。口の中に初めから空白があったからで。こうして実に君のようにやって来たから入口と出口は交わらないので、私のようにはるばるとやって来たから入口と出口は交わらないわけだ。舌をつたいゆっくりと口移しにされた嘘に催す女の引き絞られた笑いはまるで述べられただけの私を。そうして、ちょうど朝なわけだという。誰もいた部屋は私もいない部屋。すべての一日は紙の上の誤りだ。(basilides「日記」)