basilides2007-02-06

それはある日、もしくは夜であらねば。燭台をふり、一人でにこの夜をはじめて、つまづきの石によろける彼女の知らない何らかの理由によって彼女は転がるの人。彼女の、あるいは往々にして転がられるだけの彼女は以下を欠いて、経験しているのはまさに転がるをこそ。草臥し、みなわにけぶりて、ままなる身に寄せる地との狭さに、翌日を待ち、ここだけに不要を欠いた必要最大限の表現がさすがに在りえては、さようならのかけ声で冷えた荒縄と事実の重ささえあればようやく彼女が吊るされるにこと足りて、花咲くという。しかし、どこでも花のように美しい花の美しさはなく、さもなければ花の美しさに花はいらないともいう。せめて火で体を暖めることができる限り、彼女は燃えているのが誰の家なのか知ろうとはしない。(basilides「信仰」)