道傍でごみを漁る烏が一羽、鳴くのではなく吠えているのが聞こえた。
それはカール・ソロモンに向けたギンズバーグの一節をまさに吠えようとしている姿だ。
「僕は見た 狂気によって破壊された僕の世代の最良の精神たちを云々」。
どこからか伴奏がつき始めた。クロノス・カルテットだ。フーヴァーも歌う。
夜になれば烏は闇を熔かして訪れる影にすぎないだろう。