Carmero Beneの「Salomè

まるで惚けを伴うエロチシズムの膨張と質的な豊穣さ(≠過剰)、その成果は圧倒的である。健全な欲望。音声と視覚の非合理的切断の可能性が、この作品においては目覚しい色彩で開示されており、いわゆる牧人劇の平凡さと異なるのは、マリニズモ‐ゴンゴリスモ以来の修辞的多彩であり、古くはピンダロスから下ってくる言葉の錬金術的系譜に連なるからだ。身体は実体とならんとしつつ、常に本質に脅かされている。サロメとアガウエー(マイナス/マイナデス)が相互に交換される。エピゴーネンさえ受け付けない、真にディオニュソス的な作品として屹立する、そのイメージは常に古くて新しい。