basilides2006-08-16


乳房を、三つより少ない、まだ数えられる、乳房を、自ら晒けだす、はだけて、目の前でしか、女どもは、本当に大笑いだ、その滑稽な、お分かりの通り、おがくずを詰めた、かたちを見過ごして、左右に分かれた、ようやく膨らんで、あるいは目を背けて、その顔はいつも、子へ向けられ、慈愛に、伴侶へと向けられる、大気のように、裏付けられた自信に、揚々と、勝手に、満ちているが、今ここに、今であるここ、塵埃にまみれたその道の片隅、微醺に痴れたか、他ならぬ今、少なくともここには海があって、夕陽、乾いた血、口腔をほぐして、満面に朱を注ぎ、悲しみの寒さに心をやつして、さながら女のように、しどけなく肢体を晒す、彼女は、あたかも一人、それと見て分かるほどに母であった。まるで、かきたてられる名を惜しみ、なるほど、身体は、それぞれに、ちょうど偽りから始まる、特定の響きを持つに至った、それぞれの、彼女は、腰掛けて、およそ、感覚の範囲が全体で、足が地に届かず、位置を定めては、その評点はゼロである。言わずとも、言葉によってか、そっと、再び、口唇を閉じては、知られて、ここはまるで違う、もうどの名もそぐわず、もし、女であるばかりか、その通り、君以上の、彼女は美しくあることだけを楔に、なんとまあ、対象、すなわち、一人では足りず、最初からやり直し、存在に繋ぎとめられて、根拠は、二人では多すぎて、まるで表現されていない。あちらでは、まったく、日々が、想われて、乏しい表現が、予め、関心を乞わず、必ずしも、感情を制限しないように、彼女は、かぐろい母、意志よりも強く、そうとも、陰鬱な病に、臥せて、およそ感じられる一切が、昨日という日の最後の物音でさえ、ますます、未来に在るのに対して、さしずめ、脂だらけの涙をなぞって、ははは、あるいは、アマルガム、瞼の裏で、ようやく、膝のない影が、折にふれて、おめでとう、未来に落ちて、時折、産声、そして拍手。(basilides「沈黙」)